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つくった新語を紹介したら、反応があったのは...
ひとつ前のコラムに書いた「コンパッションエコノミー」は造語ですが
つくった新語を紹介したら、早速反応があったのは、古くからの友人Akaneでした。
かれこれ20年前、一緒にフリーペーパーを出版する活動をしていた仲間です。今でいう「サステナビリティ」や「SDGs」に関わることを紹介する冊子でした。
当時の日本にはサステナビリティという言葉も一般的ではなく、この冊子は「ピクエスト」というものでした。「ピースをクエスト(探求)」という意味で、環境・人権からビジネスまで多岐にわたり取り上げました。
自分たちで書いたコラムを掲載したり、専門家や当事者にインタビューに行って記事にまとめたり。またおススメの映画や本やオーガニックカフェを紹介したり。
数ページを、執筆し発行して配布まで全て自分たちで行っていました。関西圏の行政施設やカフェ等に配布していたので、電車やバスを使って配布。最終的にはコアメンバー3名でしたので、みんな本業(大学生・大学院生)がありながらの副業としては結構大変でした。
前置きが長くなりましたが、この友人Akane。本ホームページのコンパッションエコノミーという新語を見て、すぐに反応がありました。「ピクエスト」を発行していた当時、
株式会社ならぬ
ラブ式会社
(Love式)
ばかりの世界が来たらいいよね、という話をしていたのを、彼女が思い出して教えてくれました。私はすっかり記憶になかったのですが、当時がありありとよみがえります。
日本企業がまだ「本業」ではなく余ったお金(言い方が失礼)で社会貢献をしよう、という時代。このころは、企業不祥事から企業が社会信頼を取り戻す、といった文脈でCSR(企業の社会的責任)を強化するという文脈が強かったころです。
また、今でこそスターバックスなどいたるところでフェアトレード商品が売られていますが、当時はフェアトレードという言葉を知人に伝えても「???」だった時代です。
そんなときに、ピクエストメンバーで、「株式」つまり株主主義ではなく、「ラブ」で成り立つといいのにね、なんて話していたのです。まさに、コンパッションエコノミーです。
かれこれ20年のうちに、社会ではこんなことがありました。
- 2007年 日本最大、ソーシャルビジネスだけをやる会社「ボーダレスジャパン」ができました。
- 2007年 グーグルがマインドフルネスを社内で取り入れたりというBeingな流れも企業の本流となってきました。
- 2015年 SDGsが国連で採択され、京都でもバス車内がSDGsカラー一色になった時期もありました。
- 2014年 経済合理性だけを追求するお金社会に疑問を呈する、「腐るお金」「共感通貨」と言われるeumo(ユーモ)誕生。
などなど
20年前はこんなに時代が「らぶ」「コンパッション」のほうへ進むとは想像もしていませんでした。嬉しい限りです。
Akaneは自分の内側からあふれてくる伝えたいメッセージが豊富な子で、サステナブルなトピックの宝庫。まさにコンパッションを体現している人。メンバーの大学・大学院卒業とともにピクエストは2003年9月~2005年12月まで発行して廃刊しましたが、また何か一緒にできたらいいな。
なお、このAkaneと私は、ピクエストの掲載内容でいつも喧々諤々して、Akaneが泣いてしまうことも…。いまだに会うと話す懐かしいネタです(いじめていたわけではない…)(笑)